クラーク先生とその弟子たち/大島正健

こんにちは、ウリエさんです。

本のレビューを書きます。

《題名》

クラーク先生とその弟子たち

《著者》

大島正健

《あらすじ》

北海道開拓の先駆者たちとして名を馳せた者たちはどういった人物であったか。

北の地、札幌農学校で萌芽した文化は如何にして持ち込まれ、開花したのか。

黒田清隆がアメリカマサチューセッツより招聘したウイリアム・S・クラークとはどういった人物であったか。

当時のあれこれを、クラーク先生の生涯の弟子であった大島が、病床に臥せった状態で色鮮やかに語ったものです。

《レビュー》

いかにも悪童!といった野蛮な日本男児が、クラーク先生の手ほどきを経て立派に成長していく様子が見事です。

当時はバカばっかりやってたんだなと。笑えます。

ただ、物事やひとそれから自分自身に対してとても真摯にあたり、いつも公平な目で判断していた。

先入観がいっさいない、言わばまっさらなキャンバスであったのです。

だから、クラーク先生の教えや信念を一心に引き継げたのでしょう。

それから、クラーク先生は学問のみならず、キリスト教を北海道へ持ち込み浸透させた点も偉大です。

キリスト教は血なまぐさい歴史も持ちますが、政治や思惑に利用されただけであって、本来はそうじゃない。

キリスト教の理念は【個人主義】

自分で撒いた種は自分で回収する、といったもの。

自分の想いや行動、そして自分自身に責任感を持て、というのが個人主義の本質だなと思います。

いつまでも他人任せではいけない。

いつまでも他人せいにしてはいけない。

2023.8現在、終戦から78年。

日本人の心にどこかこういった、責任を逃れる心が根付いてしまったように思えます。

キリスト教を始め、多くの宗教が「幸せは自分のなかに」と謳っています。

なかなか難しいんですがね。

個人主義が正しく世の中に広まらんことを祈ります。

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